進化する入れ歯治療② 「なじんだ入れ歯をそのまま再現?話題の“コピーデンチャー”とは」
今回は、前回に引き続き、新しい入れ歯技術のご紹介第2弾です。
入れ歯がしっくりくるまで時間がかかった…そんな経験ありませんか?
「やっと慣れたのに、また作り直しなんて」
「今の入れ歯、意外と気に入ってるんです」
このようなお声を、私たちは毎日の診療の中でよく耳にします。
長年使っている入れ歯には、使い慣れた“かたち”や“噛み心地”があり、
患者さんご自身の口の動きにもしっかりとなじんでいるものです。
でも、経年劣化や破損、あるいは作り替えが必要になったとき、
「今と同じような入れ歯を、もう一度作ることができたら」というご希望はとても自然なことです。
さらに最近では、災害時のために、「予備の入れ歯を作っておきたい」「非常持ち出し袋に念のため昔の入れ歯を入れている」というお声も聞くこともあります。
そんなときに役立つのが「コピーデンチャー」
コピーデンチャーとは、現在使用している入れ歯を“もと”にして、同じかたちをした新しい入れ歯を作る方法です。
名前のとおり、いわば「コピー」して作る入れ歯。
これにより、今の入れ歯の「かたち」や「厚み」、「舌のあたり方」をなるべくそのままに、新品としての快適さや噛みやすさを取り戻すことができます。
なぜ「コピーする」ことに意味があるの?
新規で型取りをして入れ歯を作製するには、時間と労力がかかります。さらに慣れてくるまで数ヶ月かかることもあります。
そのため、「今現在合っている入れ歯」をデジタルスキャンすることで、一から設計せずに、そっくりな入れ歯を複製することで、作製時間も短縮でき、違和感のない入れ歯を手にすることが出来ます。
条件としては、今現在使用している入れ歯があることです。(複雑な形態の入れ歯はコピー出来ない場合があります。)


当院での対応とご相談について
当院では、現在お使いの入れ歯の状態を確認しながら、
コピーデンチャーが適しているかどうかを丁寧に診断いたします。
・入れ歯が少し割れてしまった
・新しいものにしたいけれど、今と同じようにしてほしい
・今の入れ歯に不自由はないけれど、予備の入れ歯を作っておきたい
このようなご相談にも対応可能です。
お気軽にスタッフまでお声かけください。
最後に
新しいものが「必ずしも快適」とは限りません。
「いま使っている入れ歯の良さを、次に引き継ぐ」
それが、コピーデンチャーの魅力です。
執筆者情報

院長
小池 軍平Gunpei Koike
天然歯を守るための予防処置を、不運にも虫歯になってしまった場合は最小限の処置を。神経を除去しなければいけない場合は、予知性の高い、無菌処置を。 これらの努力により将来歯牙を失うリスクは減らしていくことができると思います。また、子供の頃から矯正治療によりブラッシングし易い環境を作り、より良い口腔環境を維持する癖をつけて将来の、健康維持のためにメインテナンスしていきましょう。
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経歴
- 1971年
- 神奈川県横須賀市出身
- 1996年3月
- 神奈川歯科大学卒業
- 1997年3月
- 神奈川歯科大学付属大学院入学
口腔外科学第一講座 - 1997年4月
- 小池歯科医院開設
- 2008年
- 神奈川歯科大学咀嚼機能制御学講座
非常勤講師
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所属学会
- 日本デジタル歯科学会 理事

